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TOKYO ELITE RESTAURANT|世界に自慢したいシェフ
|アイデンティティのあるイタリア料理のシェフ[20]|

今、前線を走る精鋭のシェフたち
|VaccaRossa |ヴァッカロッサ[赤坂]渡邊雅之シェフ

自分にしかできないイタリア料理を表現し、今、この東京の第一線で活躍するシェフたち。 そんな精鋭シェフのアイデンティとは一体何なのか、東京を代表する11名のシェフにお話を伺いました。

牛肉事情から肉を極めた男

|VaccaRossa|ヴァッカロッサ[赤坂]
Masayuki Watanabe

渡邊雅之シェフ


  • 1969年  千葉県生まれ。

  • 1987年 銀座「ヴォーノ・ヴォーノ」入店。1年半の修業を経て、渋谷「トゥリオ」で7年修業する間に、イタリアでビステッカに出合い、芝浦の食肉市場で2ヵ月研修。

  • 1996年 渡伊。トスカーナ州「ラ・キウーザ」で2年半研鑽を積み、帰国。

  • 2013年 赤坂「ヴァッカロッサ」をオープン。2002年青山一丁目「ベッカッチャ」をオープン。

知識・技術・設備を揃えて 最高の“食べ心地”を追求

イタリア料理の道に入ったものの、自分の方向性に迷っていた渡邊シェフを突き動かしたのは、20歳の時にイタリア旅行で口にしたビステッカ(ビーフステーキ)でした。「最高に旨かったですね。元々肉料理が好きで“肉の旨さとは何だろう”と思っていて、“これこそシンプルの最たるもの”という感動がすべての始まりでした」と渡邊シェフ。帰国後は、なんと二足のワラジで、レストラン勤めを続けながら、芝浦の食肉市場で無給の丁稚奉公。競りを手伝ったり、トップの牛の産地を視察するなど、2ヵ月で3万頭の牛を見て肉のイロハを学んだと言います。その後、2年半のイタリア修業を経て帰国すると、皮肉にも日本は狂牛病騒動に…。「運が悪い男だなと思いました(笑)。でも、牛肉を出せない時期があったことで、ジビエのような自然が育てた肉の良さを再確認して、より肉の状態にこだわるようになりました」。そんな渡邊シェフのこだわりが結集したのが、こちらのお店。名店「ベッカッチャ」を閉め、オープンに専念。トスカーナ暖炉を据え、キアナ牛を焼く本場の“ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ”の旨さを東京で表現するためのお店です。使用するのは、「キアナ牛に匹敵する」と太鼓判を押す十勝若牛や土佐あかうしの赤身。本ナラを主とした薪の熾火(おきび)で、肉をこまめに返して焼き色を重ねながら、約30分かけて焼き上げます。焼きの段階は彼の頭の中に20ほどあり、肉の熟成、温度、薪、焼き加減のすべてを肉の部位や状態に合わせて、最高のポイントを探すそう。焼きたてをカットしても肉汁は外に出ず、噛みしめた時に初めて溢れるのは、薪とシェフの技術があってこそ。「一番大切なのは、食べ心地。ステーキではなく、1つの料理としてお出ししています」と話すシェフの目に、さらなる美味を追求する情熱が宿っています。

ビステッカ・ディ・ヴィッテローネ(十勝若牛北海道産)骨付きロース1人前350g12,960円(写真は2人前)。付け合わせは赤ワインとスパイスで煮た生姜、グリルキュウリで、消化や吸収が進む

曲線を多用した純白の空間はトスカーナと高知の景観をモチーフに自然の風景を線で表現

虎ウツボのカルパッチョ2,592円。高知から届くとっておきの食材で状態が良く味が濃い

ヴァッカロッサ

ランチ1050円~、ディナー7,020円~。国産赤身牛のビスカッテコースは10,800円~

ヴァッカロッサ

住所:
東京都港区赤坂6・4・11
ドミエメロード1F
TEL:
03・6435・5670
営業時間:
ランチ火~金11:30~13:00LO、土12:00~13:30LO、ディナー18:00~21:00LO日・祝定休
URL:
http://vaccarossa.com/

Photo よねくらりょう  Text 松本典子

※こちらの記事は2015年11月20日発行『メトロミニッツ』No.157に掲載された情報です。

更新: 2017年3月2日

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