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この料理に感動した『こだわりの一皿』|ボルシチ|キッチン ボン|恵比寿

人気レストランの思いを「この一皿」の誕生秘話を通して発信します。弊社編集部員が足を運び、ファンになっているお店のみの掲載です。

恵比寿駅西口から徒歩5分の場所に、老舗洋食屋さんとして名を馳せている「キッチン ボン」がある。
手書きのメニューからは、愛情が込められた料理たちだということが真っ直ぐに伝わってくる。
その中でも、名だたる有名人のココロを虜にしているメニューが「ボルシチ」である。
このメニュー、先代の須田義夫さんが満州の大和ホテル時代に、旧帝政ロシアの皇室料理長から直々に教わったレシピに改良を加えて、完成させた至極の逸品。
創業当時一皿80円だったメニューが、今では1470円になっていることからも歴史の重みを感じてしまう。

今回のこだわりの一皿はキッチン ボンの「ボルシチ」を紹介する。

現在、厨房を守っている2代目の須田紘光さんは言う。

「親父はすごい味を残してくれましたよ。レシピはもちろん50年以上変わらないです。」

キッチン ボンの「ボルシチ」は、他では決して味わうことができない深みがある。
一言でいうと、元気が湧き、幸せになるメニュー。
野菜の甘みや極上牛肉の旨みが凝縮したコクのあるスープに輪切りのレモンの酸味とまろやかな生クリームが最後に加わり、絶妙な味を完成させている。
そして、ほくほくのジャガイモが凛とたたずんでいる美しさ。
食べ終わるのが悔しいと感じてしまうほどの一皿なのだ。

「店を継いだ当時、親父になかなか『おいしい』って言われなくて、苦労しました。でも、ある時『自信を持って作れよ』と言ってもらえた。あれがうれしかったね」

「ボルシチ」のベースは50年間継ぎ足し、継ぎ足し作り続けているとのこと。数年ぶりでも数十年ぶりでも、変わらない料理を提供する素晴らしさにみんなが惹きつけられてしまう。
その証明がまさしく、キッチン ボンの店内だ。
キッチン ボンには、恐れ多いほどのお宝がそこかしこに飾ってある。
有名なところでは、美空ひばりさんや長嶋茂雄さんのサイン色紙。
他にも、大物芸能人の方の想い出の品々が置いてある。

須田さんご夫妻は、ニコニコとお話をしてくれた。


「うちのお店は常連さんが多いんです。その中には、昔はまったく無名だったのに気が付けば有名な俳優さんや女優さん、はたまた作曲家や映画監督になっていく方が多くいらっしゃいました。でも扱いは普通の人と変わりません。営業時間前にいらしても、開店まではしっかり外でお待ちいただくんですよ(笑)」


そこが、また魅力なのだろう。

最後に営業時間のスタートが05分という理由を伺った。
「ご縁がありますように」と優しいマダムの一声。
一口含むと幸福感がからだ中に広がる一皿、キッチン ボンの「ボルシチ」を食べにいこう。

須田 紘光さん

シェフ  須田 紘光さん

料理歴50年以上。

横浜ニューグランドで10年修業をしたのち、先代が立ち上げた「キッチン ボン」へ。

後継者として、先代の味をも守り続けている。

仕事中のシェフの顔はとても真剣で強面だが、厨房から離れてお話を伺っているときの顔はとても優しい。

キッチン ボンキッチン ボン

キッチン ボン

住所:
東京都渋谷区恵比寿西1-3-11 
ベル恵比寿1F
TEL:
03-3461-8538

更新: 2013年5月8日

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