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✈︎WORLD FOOD PORT. 「スイス発・シンプルでサスティナブルな食文化 Vol.4」

Andreas Zerndl / Shutterstock.com

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WORLD FOOD PORT. |Switzerland|

スイスと聞いて一般的にすぐに思い浮かべるのは「ハイジ」「アルプス山脈」「永世中立国」といったところでしょうか。意外にもヨーロッパの他の国と比較すると日本ではまだまだ知られていないスイス。フードポート編集部は、この夏在日スイス大使館からのメディアツアーの招待を受け、奥の深いスイスを知ることができました。さて、今回は最後のレポートということで、様々な角度からスイスの魅力をご紹介していきたいと思います。

|チョコレート大国スイス|

在日スイス大使館の方から、「スイスはどこに行ってもチョコレートが出てきます」という言葉通りのチョコレート好きな国民性。統計によるとスイス人は世界でもっともチョコレートを消費しているそうで、年間一人当たり12.4kgだそう。日本人は約2.2kgとのことで、この差は6倍もあるのです。

チョコレート=(独)Schokolade(仏)Chocolat(伊)Cioccolato

実際にスイス航空内でのサービスから始まり、もちろん、各ホテルのお部屋にはウェルカムチョコレートが。さらにホテルによっては、バトラーサービスでもチョコレートがいただけたり。
街なかのチョコレート専門店をみると、板チョコの板がA3版ほどで並んでいて、購入スケールの違いに驚きました。

スイスで初めてのチョコレートは1697年にチューリッヒ市長のエッシャー氏がブリュッセルから持ち込んだと言われているそうですが、その後スイス国内で次々にチョコレート工場ができ、19世紀には画期的な発明をいくつもしていくのです。なんと、世界初のミルクチョコレートを完成させたのもスイス人なのでした。

なぜこんなにチョコレートが発展したかというと、大量にとれるミルクをチーズ以外の方法で消費するためだそうです。なるほど、さすがサスティナブルといった感じです。現在、『スイスチョコレート』と呼ぶことができるのは、製造工程がすべてスイス国内で行われたものだけだとのこと。20世紀には世界のチョコレートシェアの50%を占めたほどのスイスチョコレート、日本でも多くのスイスチョコレートが愛されています。そして、発明が素晴らしいといえば、今回外観だけキャッチした場所がこちらのカフェ。

あの天才、アインシュタインの自宅だった場所に1Fにある「café EINSTEIN」。お食事もデザートもおすすめだそうです。

|スイスで出会った食のいろいろ|

スイスでは、ドイツの食文化の流れを汲み、ミートローフが伝統食の一つになっているとのことでした。ミートローフといえばアメリカの食文化のようですが、アメリカにおけるレシピもドイツ移民から伝わったのだそう。食したミートローフは、一般的に型にいれて作っているのではなく、形状からすると野菜が練り込んであるハンバーグのような印象でした。ドイツ系といえば、もちろん、言わずと知れた焼きソーセージもその一つ。今回訪問した、野外コミュニティスペースでも人気メニューでした。

(左)焼きソーセージ=(独)Bratwurst (右)メレンゲ=(独)(仏)Meringue

スイスの意外なデザートが、大きなメレンゲ。卵白と砂糖を泡立てたお菓子は、スイスのフリブール地方の名物なのです。メレンゲの名前の語源と言われる山村マイリンゲンで17世紀に菓子職人(イタリア人)によって作られたのが始まりだそうです。マイリンゲンでは1日平均1500個のメレンゲが焼かれているとのこと。スーパーなどでも大きな袋で販売されていました。

キノコ=(独)Pilz(仏)Champignon

そして、とあるレストランのディナーの際、「本日はこの採れたてのキノコを使って料理しますね」と、見せてくれた巨大なキノコ。「わぁ」と歓声が上がったのは言うまでもありません。さすが山の国。

スイスでは1年中キノコがあるため、キノコ狩りをする方々も多くいるようで、自治体ごとに採取制限や専門家による相談サービスがあるそうです。街では、スーパーの他にファーマーズマーケットで直接農家さんからお野菜を買うというコミュニティももちろん発達しており、レストランもここで購入するなど、みなさんスイスの農家さんを支える意識がかなり強いとのこと。

さらに今回、スイス人のご家庭に夕食に招かれてのコミュニケーションも経験しました。ほとんどの食事を家族一緒にとるという、Georgファミリー。人生の中に生活があり、仕事がある、というスタンスは、スイス人なら当たり前だそう。2015年世界幸福度が第1位というのも頷けます。

印象的だったのは、「はじめて日本人とお話するの!」と嬉しそうな姉妹。日本のことで知っていることを教えて?と聞いてみても、「う~ん、あまりない」という答え。しかし、お土産で持参した「おせんべいのわさび味」や「グリンティー」に反応してくれるところが、やはり食という文化のパイプの強さを感じました。

まもなく、スイスは雪に覆われます。
乳しぼりをしていた人たちが、スキーのインストラクターになることでしょう。
チーズ販売は自動販売機にまかせて。

まだまだ伝えきれていないスイスの魅力はたくさんありますが、今回の連載レポートから、スイスという国がとてもシンプル(無駄のない)で、サスティナブル(継続可能な)食文化だということが少しでも感じでいただけたら幸いです。

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訪問先: Domaine Bovy :www.domainebovy.ch
取材コーディネート:在日スイス大使館
https://www.facebook.com/SwissEmbassyTokyo
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更新: 2016年8月16日

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